ネーミングで「時間の価値」が変化する

僕の著書『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の中で、「ネーミングの法則」という伝わる技術を紹介しています。

「ネーミングの法則」とは、名前をつけると魅力が高まったり、愛着がわいたり、価値が生まれるというものです。

車に名前をつけているという人に時々会います。

「車に名前をつけて、運転しながら車と会話するんですよ。そしたら、車がまるで友だちのような感覚に変わったんです。友だちを傷つけたらいけないので、運転も慎重になります」

名前をつけると、その存在が特別なものになるんですね。

車の運転席からの眺め
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです

ネーミングの効果はほかにもあります。そのひとつが「認識が生まれる」ことです。

たとえば、仕事で何か新しい気づきがあった時。僕はその気づきに名前をつけるようにしています。

「ファクトとメンタルの法則」
「ずらす法」
「数珠つなぎ連想法」

こうやって名前をつけると、面白いことにその名前をつけたことに、仕事でひんぱんに出合うようになるのです。

これは、名前をつけることでそのことに対する認識が強く生まれたからです。

ネーミングには認識を生む効果があるので、その名前を使い続けると、無意識に「思い込み」を生むこともあります。

たとえば「通勤電車」というネーミング。

通勤電車ってちょっとマイナスな印象がないでしょうか。

混雑した電車で、車内の雰囲気はどんより。避けたいけど、しょうがないもの。

これは「通勤電車」というネーミングが影響しているかもしれません。