すぐにでも子どもが欲しいとのことだが、小さな子どもがいる家庭の理想の家計割合は、住居費=22%、食費=15%、水道光熱費=5%、通信費=6%、小遣い=10%、教育費=10%、保険料=9%、趣味・娯楽費=3%、被服費=3%、交際費=3%、日用雑費=3%、その他=3%、貯蓄=8%といったところだ。

この理想の割合にあてはめて考えると、いま、明らかに使いすぎてしまっている項目がわかると思う。とりあえず大きく削れそうなのは、生命保険料、交通費、被服費、小遣いなどだろうか。

あとは食費など「消費」ではなく「浪費」になってしまっている部分を少しずつ減らせば、月々10万円程度の貯蓄はしていけるはずだ。

子どもができたらしばらくは遠出もできないことが予測されるので、ボーナスからの「帰省・旅行」代は自然に貯蓄や教育費に回せるだろう。

ついでに言わせてもらうと、嗜好品のうち「たばこ」もこの際、やめてしまってはどうだろう?

貯蓄のためというより、自分と家族の健康のために。

かく言う私も、少し前までたばこを吸っていた。たばこは依存性が強いため、一度覚えるとなかなかやめられない。私も「絶対にやめられない」と強く思いこんでいたので、やめるつらさは十分に理解できるつもりだ。

しかし1カ月のたばこ代1万4000円が浮けば、1年で16万8000円。さらに会社や公共の場所の「喫煙スペース」に通う時間も節約できる。病気のリスクも減らせるので、長期的に見ると医療費が浮く可能性も高い。まさに、いいことずくめではないか。

私も紆余曲折を経て、いまはやめてスッキリ。心底よかったと思っている。

たばこだけでなく、お酒やコーヒーの飲みすぎも体に負担がかかる。嗜好品をやめて得られるメリットは、健康的にも金銭的にも大きい。

子どもを持ってから、肩身の狭い「ホタル族」になる前に、メタボな家計&たばことキッパリおさらばしてはどうだろう。

■「タラレバ消費」症候群

【症状】「家庭を持ったらマイホーム買わなきゃ、子どもができたら、絶対車を買わなきゃ……」という発作が起きる。病巣は、本当に必要か考えずに、「みんな買うから買わなきゃ」と思い込んでいる点にあり。
【処方箋】子どもができても毎日車が必要とは限らないし、家を買うことは、メリットだけとは限らない。まずは自分たちにとって何が大切で、限りあるお金をどこにどう投資していくか、自分たちの「軸」をつくっていくことで治療できる。

■「貯めどきはいま!に気づかない」症候群

【症状】別名、忙しいから症候群。共働きDINKSで夫婦とも忙しい家庭に多発する病気。子どもができる前こそが絶好のお金の貯めどきなのに、それに気づかない。多忙を理由に家計のムダもほとんど検証できていないところに病巣が潜む。
【処方箋】子どもができたら、いまよりもっと忙しくなるはず。いまのうちに、2人で一度腰をすえて家計を見直そう。「いましかお金を自由に使えない」ではなく「いましか貯められない」と気持ちを入れ替える。

家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー 横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5200人以上の家計を再生した実績を持つ。著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ37万部のベストセラーに。
(構成=八村晃代 撮影=アーウィン)
【関連記事】
元外資金融マンのリーマン後ライフ
妻の稼ぎが頼り!勝ち組DINKSがリストラ
世界遺産巡りに年間200万円勝ち組DINKS夫婦
年収900万円でもなぜか毎月赤字
【3.教育/生活/定年後】「年収ガタ減り時代」の選択と処方箋