信頼できる休職診断書の見分け方
もし社員さん側の希望で安直に休職の道を選んでしまった場合、人事としては復職後の扱いに悩むことになります。往々にして、社内の花形部署での業務はキャリアアップに繋がる反面、相応の負荷がかかることから、復職した社員を配属することは、長期にわたり避けられる傾向にあるようです。安易な休職は、キャリア形成においても、非常に不利となるリスクがあるのです。
では、企業の人事担当者のみなさんが、従業員から診断書が提出された際に「信頼できる」診断書なのか、あるいは「安易に発行された」診断書なのか、を判断する方法を解説します。
①「即日発行」などを謳ったクリニックでないか
まずは、診断書のクリニック名を検索しましょう。
クリニックによっては「診断書即日発行」などの謳い文句を掲げていますので「診断書 当日」などのキーワードで検索して上位に表示されるクリニックは、診察時に患者の休職意向に基づいて、安易な休職診断書を出している可能性が高いでしょう。
精神科医としての経験が浅い医師もいる
②医師の経歴をチェックする
次に、診断書を発行した医師の経歴や専門分野をチェックします。大学病院や公的病院の役職者などの経歴があれば比較的安心ですが、それがなく「●●●クリニック勤務」等の経歴が続いている場合、アルバイト程度の勤務歴しかない、臨床スキルに乏しい医師である可能性が高いと思われます。
実は、日本ではいまだ医師の「自由標榜制」が堅持されており、専門医の資格を持たなくとも自由に診療科を標榜することができます(麻酔科を除く)。つまり精神科医としての経験がなくとも、「精神科医」を名乗ることができるのです。そのため、ホームページでの医師の経歴チェックは、信頼できそうな医師かどうか、一つの判断材料になります。
③診断根拠が書かれているか
3点目として、診断書に診断根拠がきちんと書かれているかどうか確認します。客観的根拠を示さず安易に長期休職を指示している場合には、産業医を通じて主治医の意見を求めるような対策も必要でしょう。