「キラキラ人材」は活躍できないケースが多い

それでも採用してしまうのは、経営者にしてみれば、人手不足の中で、前職での肩書きや実績がキラキラと輝いて見えるからです。

きちんと仕事をしてくれれば良いですが、現実には肩書きばかり目立って、活躍できないケースがとても多いのです。

ミッションやビジョンの実現に向けて、事業を立ち上げるときは、役員であろうが、部長であろうが、立場を問わず泥臭い仕事をするのが当たり前です。部下に指示をしてスマートに働くのが理想かも知れませんが、特に最初はそうはいきません。

ところが、肩書きにこだわりすぎる人は、そのような段階であっても、「私は役員なのに、なぜこんな仕事を」といった具合に不満をこぼしがちです。一人でもこういう人が組織にいると、チームの士気にも影響し、引いては組織にヒビを入れることになりかねません。

別の「勝ちパターン」の人が組織を強くする

創業したばかりの時期や、新規事業の立ち上げ初期は、とにかく今いる人員で事業を立ち上げることに全力を尽くすと思います。事業がうまく立ち上がり始め、組織の規模が大きくなってきたら、「どのようなスキルセットを持ったメンバーで会社やチームを構成するか」の計画を立てることになります。

こうした計画を持たず、悪い意味で自然体でいると、自分や他の経営陣と同じスキルセットの人、すなわち同じ勝ちパターンの人を集めがちです。人間は、似たものに惹かれるのです。しかし、組織を中長期的に強くしたいなら、今の経営陣とは別のスキルセットを持ち、別の「芸風」で戦ってきた人を入れることが重要になります。

「マインドセットは共通、スキルセットは異質」がポイントです。採用の受け皿を広くして、異なる強みやスキルを活かせる組織に変えていけば、組織の成長スピードが加速します。