ただの仲良しグループでは真の「心理的安全性」は生まれない

ただし、だからと言って「イエスマン」や「同調できる人間」だけとつき合えという話ではありません。それでは本当に刺激がなくなる。

自分とは違う考えを持つ、発展的なアイデアをくれる、そんな相手とは積極的につき合ったほうが、前頭葉バカも防げ、いつまでも若々しい自分でいられます。

言い方を換えると、自分と考え方や信念が違うし、主張もし合う。けれども、互いの意見を尊重して、議論し合える。そんな発展的な心地良さを持った人間関係を、仕事でもプライベートでも持てるのが最高ではないでしょうか。

和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)
和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)

最近、「心理的安全性」という言葉が浸透してきました。

企業などの組織で、自分の考えや気持ちを自由に安心して言える状態のことを指します。

そんな心理的安全性があると、組織は活発な意見が飛び交い、優れたアイデアが出やすく、モチベーションも高まるので、成果をあげやすくなります。

まさにそんな関係性を築くことが大事です。

なあなあで、ただの仲良しグループのことを心理的安全性が高いとは言いません。

上に立つ人間の言うことなすことに唯々諾々いいだくだくと従わなければならない恐怖政治とも違います。

所属する誰もが自分たちの好きな意見を気持ちよく言い合えて切磋琢磨せっさたくまできる。

そんな関係性にこそ、心理的安全性は宿り、真に心地良い場所と言えるのだと思います。

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