まずは常識を押し付ける「べき」思考を捨てること

ブラック上司は自分をブラックだと思っていなくて、真面目に会社のために尽くし、結果にこだわっている人間だと考えています。自分の信じている働き方、会社のやり方を最高だと思っている。それが「常識」だと思っている。信心深く信仰を貫いているだけなのです。

真面目はもうやめにしましょう。

50歳を超えたならなお、不真面目になるのです。

仕事はこうあるべき、このように仕事すべき。

まずはそんな「べき」思考を捨てるのです。

真面目な人は、なんでもすぐに「べき」を作り、それにそぐわない相手を許せなくなりがちです。

許さないより、緩くいきましょう。

タブレットを持つ成熟した日本のビジネスマン
写真=iStock.com/JohnnyGreig
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結局、自分は変えられても、他人は変えられないのです。変えられないことに時間や労力を使うほど、ムダなことはありません。

自分の考えにそぐわない人がいたら、「許せない」とキレるのではなく、「そういう人もいるよね」と受け流しましょう。

そもそも、ブラック企業たりえるような会社に属しているならば、信じ込む前に「ちょっとおかしいかもね」「他とは違いすぎるよね」と感じ取り、さっさと離れます。

いくらでも、他の道があります。もとより、いい歳をして、会社組織なんていう小さな枠の中だけで物事を考えるのはバカげていることを自覚しましょう。

つき合う相手はコレで選ぶ

では、どのような相手と人間関係を築けばいいのでしょうか?

今いる会社の上司や同僚、部下や後輩、腐れ縁の友人、近所の顔見知り。いろんなつながりがあると思いますが、ある程度の年齢になったら、「仕事ができる」「つき合いが長いから」といった基準だけでつき合うのはやめるべきでしょう。

最も大切にしたい基準は「その人といて心地良いか否か」です。

ストレスを感じる相手ならば、たとえそれが同僚や同級生でも、場合によっては家族であっても遠ざけたほうがいい。

たとえば40代前半くらいまでなら、とにかく出世したい、世に名前を残したい、そんなモチベーションで何事も突っ走り、人づき合いも、自己実現におけるメリットにつながりそうな相手と嫌々ながらもつながっていたかもしれません。

でも、50代になったら、もうやめにしていいのです。

人生100年時代になりましたが、時間が有限であることには変わりません。

ただでさえ前頭葉が萎縮して、考え方が頑固になり、「べき」に厳しくなっていきそうなときに、ストレッサー(ストレス要因)の近くに身を置く必要はまったくない。

人生のムダです。

人づき合いも、選択と集中を意識したいもの。