2024年、日本は厳しい状況に陥る

【渡邉】世界各国でさまざまな問題がありますが、ジムさんは、2024年はどんな年になると考えていますか。

【ロジャーズ】2024年については、世界一の経済大国であるアメリカに関して、まず考えなければいけません。アメリカは2009年からずっと成長を続けていて、歴史的にはもっとも長い成長期間となりました。そう考えると、2024年には大きなショックがくると予測しています。アメリカで大きなショックが起きれば、それは必ず、日本やほかの世界の国々にも大きなインパクトを与えます。

その意味でも、みなさんはもっと心配するべきです。特に日本は日銀がETF(上場投資信託)を大量に購入(※)し続けてきました。どこかでショックが起きれば、日本の株式市場も大きなダメージを受けるでしょう。日本にとって2024年は、ひとときの楽しい時間が終わる年になるでしょう。

※2024年3月19日、日銀の植田和男総裁は11年にわたり実施してきた、大規模な金融緩和政策解除を発表。大量に購入し続けてきたETF(上場投資信託)のほか、Jリート(上場不動産投資信託)の買い入れも終了すると決めた

【渡邉】日本は17年間も金利を上げることができませんでした。日銀は2023年にこれまででもっとも多くの国債を買いました。利上げに踏み切りましたが2024年は、さらにたくさんの国債を買い続けることになるでしょう。私は、2024年は日本が破綻する最終局面に到達する年になるのではないかと思っています。

【ロジャーズ】どの国も今は借金を増やし続けています。日本は日銀が国債を買っているという独特な問題もありますが、中銀がお金を刷り続けて借金をし続ける、これはどこの国にも当てはまります。

アメリカは世界でもっとも借金を多くしてきた国です。それも2024年に大きな危機が起こるとした理由の一つです。