「次期の見通し」達成状況をウォッチする
また、「次期の見通し」という項目では、通期為替レートをいくらに想定しているのか、この業績予想を達成するための前提条件はなんなのか、セグメント別の業績見通しはどうなのか、といった点にも触れられています。これも、有価証券報告書にはない情報です。
問題は、この業績見通しを達成できるのかどうかという点です。
もちろん予想通りにいかないこともあります。ただ、会社としては、この業績予想をベースにして、社員の業績目標を立てたり、各種予算組みをしたりするので、まったく実現不可能な数字ではありません。
とはいえ経営者からすると、業績予想は投資家に対してコミットするものでもあるので、これが未達ということになると、株価下落の洗礼を浴びることになります。
したがって、業績見通しはやや保守的な数字にしておき、途中で業績見通しを上方修正したほうが、経営者としては恰好がつくともいえますが、あまりに保守的に過ぎると、今度は投資家が期待外れということで、さらに株式が売られることもあります。
このように、業績見通しは匙加減が非常に難しいところではありますが、やはり会社の業績動向を見るうえでは重要な参考情報のひとつなので、第1四半期、第2四半期というように四半期ごとの進捗状況と併せて、達成できるかどうかをウォッチしておく必要はあります。