効果的な声かけは「いっしょに考えよう」
③解決策をいっしょに考える
キレてしまった原因に対して、「どうすればこの問題が解決するか、いっしょに考えようか?」と声をかけてあげましょう。この声かけは、実際によく親御さんに試してもらっているのですが、とても効果が高い声かけの成功事例の1つです。
じつは、子どもがキレると、お母さん、お父さんもそれに反応してキレてしまうことがとても多いのです。このとき、いっしょに考える姿勢を見せることで、お子さんも冷静になれます。
このように未来に視点を向ける質問が効果的な質問です。ぜひ試してみてください。
④ポジティブな言葉を伝える
一般的にキレてしまった場合、それを肯定的に受け入れてもらうことはまずありません。受け入れてもらえなかった子どもは、何かあればますますキレるようになるだけでなく、自己肯定感は下がる一方です。
まずはキレたことを受け止め、ポジティブな声かけをしましょう。たとえば「怒ってキレてしまうことは、だれにでもあることだよ」「自分の感情をどうコントロールするか、そのトレーニングだね」「これからこの気もちを、勉強(または部活やクラブなど)にどう転換できるか、いっしょに考えよう」などと、とらえ方のヒントを提示してあげましょう。
このように、お母さん、お父さんが、未来に役立つとらえ方を提案すると、徐々にキレることが少なくなっていきます。
冷静になったときに原因を問いかける
⑤後日、キレたことへ理解を深める質問をする
キレたその場ではなく、時間がたって落ちついてから行うことです。
なぜキレてしまったのか、その理解を深めるための質問をします。たとえば「そういえばこのあいだ、○○のことですごく怒ったよね。あれって、なんだったんだろうね」というふうに問いかけてみます。
冷静な状態で、自分はなぜあんなに怒ってしまったのか、原因の分析をするのです。この問いかけによって、キレるという症状がなくなっていきます。
種明かしをすると、ここで紹介した5つの接し方は「自己肯定感を上げる」方法でもあります。どういうことかというと、キレるお子さんをどうにかしようとするよりも、親の対応や言葉かけで自己肯定感を上げてしまったほうが効果的だということなのです。