お子さんがいるのにそんなにきれいにしているなんて…
最初にお見合いをしたのは、3歳下で結婚経験のない男性だった。第一印象はよかったが、何度か会ううちに、デリカシーのない発言が気になるようになった。
あるとき、電話で話していたら「お子さんがいるのにそんなにきれいにしているなんて、美容や洋服にお金をかけ過ぎではないですか」と冗談交じりに言われた。その言葉を聞いて、H実さんは「この人との未来はありえない」と、即座に交際を中止した。
「結婚した経験がないと、親としての覚悟や苦労を想像できないのかもしれない」と思ったH実さんは、次は離婚歴のある人に限定して相手を探すことにした。
ほどなくして、同い年で中学生の娘さんがいる男性とお見合いをした。相手は、ひと目でH実さんを気に入った。同世代の娘がいることで意気投合し、1年ほど家族ぐるみでおつきあいをした後に、2人は入籍をした。
娘さん同士も姉妹ができたことを喜び、いまは家族4人で楽しく暮らしている。
再婚相手に出会うためにフランスの大学院へ
バツイチ女性の婚活事例をもうひとつ紹介する。
T子さんは、48歳でフランス人男性と再婚した。現在は夫とふたりフランスで暮らしている。
8年間連れ添った夫と離婚をしたのは、T子さんが40歳のときだ。原因は、夫の浮気と借金が発覚したことだった。子どもはおらず、T子さんは夫と別れた後、ひとりで実家に戻った。
語学が得意なT子さんは、地元で子ども向けの英話講師の仕事を見つけた。そして新しい生活が落ち着くと、T子さんは再婚を考えるようになった。
T子さんが次の結婚に求める条件は、はっきりしていた。それは「フランスで暮らす」ということ。大学時代に半年間パリに語学留学をしたT子さんは、いつかフランスで暮らしたいという夢を抱いていたのだ。
T子さんは、将来のパートナーと出会うために、フランスの大学院へ留学することを決意した。
目標を定めたT子さんは、文字通り寝る間も惜しんでひたすら勉強に励んだ。努力が実り、パリにある大学院に合格したのは、T子さんが45歳のときだった。
大学院での勉強は予想していた以上に大変だった。それでもT子さんは当初の目的を忘れることなく、勉強の合間にマッチングアプリを活用して婚活も同時進行させたのだ。そこで出会った5歳年上のフランス人男性と、めでたく交際をスタートさせた。
彼にも離婚歴があり、成人した娘さんがいる。「いずれ日本へ帰ってしまうだろうから」と、当初彼はT子さんとの結婚は考えていなかったそうだ。それでも、T子さんは結婚しなければ帰国する現実と、「フランスで暮らしたい」という彼女の強い思いを知り、結婚を決意したのだという。