おもしろいだけでなく理解の助けにもなるパズル

――具体的にどんなパズルなのか教えてください。

【田邉】たとえば「数字つなぎ」という問題があります。1から順に数をつないでいくパズルで、これは数がわかれば解けます。ここからひとつレベルアップしたのが「倍数つなぎ」で、これは2、4、6、8、10……など、倍数をつないでいくパズルです。

【図表1】数字つなぎ、倍数つなぎ
左が数字つなぎ、右が倍数つなぎ。りんご塾のパズルをまとめたドリル『天才‼ ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』(Gakken)より

【田邉】さらにレベルアップしたのが「倍数クロス」という問題です。2の倍数と3の倍数をそれぞれつないで、6や12などの公倍数で線が重なります。

――なるほど、視覚的に公倍数を理解できるんですね。

【田邉】はい、そうです。

能動的に学ぶから記憶に定着する

【田邉】算数は文章題が解けるように国語力をつけることも大切です。そこで国語の問題もパズルや迷路にしているのですが、国語の学習にも非常に効果的なんですね。

たとえば「思い立ったが吉日」という言葉を子どもに覚えさせようとしても、日常生活でその言葉と関わりがないため、なかなか覚えられません。ですが、迷路にしてその言葉をたどらせると、スタートからゴールまでの間に何度もその言葉を頭の中で繰り返すので、自然に覚えられます。

【田邉】たくさん並んだ漢字の中から1つだけ違う漢字を探して、それを4つ見つけると四字熟語になる「集中! 四字熟語さがし」という問題もあります。子どもにとって苦労して見つけた間違い探しの答えだから、興味を持ってくれます。

つまり、パズルを解くことで、その言葉と自分に関係ができるんです。四字熟語の読み方やことわざの意味をただ教えられても退屈ですが、パズルの答えなら知りたいということです。

このようにただ教わるのではなく、能動的に知識に触れるからこそ、記憶の定着も良いのだと考えています。