「頭の良さ」の価値は今後さらに高まる
現代社会に生きる私たちにとって、「頭の良さ」は重要な要因です。ここでいう「頭の良さ」とは、認知能力として定義されるもので、記憶力、思考力、計算力、言語力、IQといったものが含まれます。これらはいずれも、検査で測定できる能力です。
なぜ頭の良さが重要か。それは学歴に直結し、働きだした後の年収や職種、企業規模、ひいては結婚相手探しといった点にも大きな影響を及ぼすからです。
頭が良ければ学歴が高くなり、年収も高くなるでしょう。この点に関して、橘玲氏のベストセラー『言ってはいけない 残酷すぎる真実』では、個々の頭の良さが経済的な格差につながっていると指摘しています(*1)。頭が良い人ほど年収が高くなっており、知能の格差が経済格差に直結するわけです。ITやAIが発達し、さまざまな知識がすぐに手に入る現代社会において、新しい価値を生み出す基盤となる「頭の良さ」の価値は、今後さらに高まるでしょう。
橘氏はアメリカの研究例を用いて頭の良さと経済格差の関係を明らかにしていますが、そのアメリカで近年興味深い変化が出てきています。
それは、Nerdと呼ばれる、日本語で言えば「オタク」へのイメージが好転し、結婚相手としての人気が高まってきているというものです(*2)。背景にあるのは、彼らの高い所得であり、頭の良さが結婚にも関連することを示しています。
頭が良い人ほど幸せなのか
このように「頭の良さ」は、現代社会に生きる我々にとって重要な要因となるわけですが、幸せとはどのように関連しているのでしょうか。
頭が良い人ほど学歴や年収が高く、良い結婚相手にも恵まれる可能性があるならば、「頭の良さ=高い幸福度」といった構図があってもおかしくありません。
はたして実態はどうなっているのでしょうか。
今回は「頭の良さ」と幸福度の関係に迫ってみたいと思います。