とっさの場面でも、具体的な数字を基に話すことができる

そして、それぞれについて、今月は何件ずつできたのか? 過去の数字や目標の数字に対して、どれくらいショートしていたのか?

ここまで細かく分解し、そのうえで「前年同月比で、電話の件数がショートしている。今月、受注目標を達成できなかったのは、電話の件数が足りなかったからだ」といったように、細かく分解したうえで、適切に原因を突き止め、そのうえで改善に動き出します。

ビジネス街の路上でスマートフォンを使って連絡を取る日本人ビジネスマン
写真=iStock.com/maruco
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これであれば、「なぜか?」と問われたときにも、パッと具体的な数字を基に話すことができます。

これは、このような原因分析のときだけではありません。顧客像の具体化であれば、顧客がいま何に最も困っているかを把握していて、その悩みをどれくらいの頻度で感じていて、そのときどんな感情で、そのためにどんな商品やサービスを買っていて、どんな風に工夫をしているかなど、細かく見ています。

「解像度が高い人」が質問をされたときにパッと具体的な話ができるのは、このように普段の思考から、物事を細かく見ているからなのです。

99%の人には見えない「ユニークで鋭い洞察を得ている」

「解像度が高い人」は、第一に「物事が細かく見えている」と申し上げましたが、実はこれだけでは「解像度が高い人」の特徴としては十分とは言えません。

「解像度が高い人」の2つ目の特徴に、「ユニークで鋭い洞察を得ている」という特徴があります。

例えば、私があるコピーライターの方から聞いた話です。その方に、「コミュニケーションにおいて、大事なことは何ですか?」と聞いたときのことです。私は「言い方・伝え方を工夫する」といった答えが返ってくるものかと思っていました。

実際、「解像度が低い人」はこのような「安易な意見」を言うでしょう。しかし、そのコピーライターの方から返ってきた答えは、「相手の“欲望のベクトル”を意識する」というものでした。

つまり、「人というものは感情を持つ生き物で、話しているその時々で“こうしたい”という『無意識の欲望』を持っている。それを無理に曲げないことが、こちらの話を聞いてもらうためには大事」ということです。