他者、組織、社会のために自分を犠牲にしてはいけない

なお、世の中では往々にして、他者のため、組織のため、社会のために自分の優先順位を下げることが誠実さだと考えられがちですが、私はそうは思いません。

もちろん、ほかの人の役に立ちたい、組織や社会の役に立ちたいという気持ちは大事ですが、自分が本当に大事にしたいもの、「自分がやるべきだ」と思っていることを犠牲にし、他者の都合を一方的に優先させるのは本末転倒であり、何よりも自分に対して不誠実な生き方になってしまいます。

小澤竹俊『自分を否定しない習慣』(アスコム)
小澤竹俊『自分を否定しない習慣』(アスコム)

私は、人にはそれぞれに与えられたミッションがあり、そのミッションを果たすこと、自分の役割を果たせたと思えること、自分の大事なものを守れたと思えることこそが、本当の幸せにつながると思っています。

百人いれば百通りの優先順位があります。家族を何よりも大事に思う人もいれば、友人を大事に思う人、仕事を大事に思う人、ペットを大事に思う人もいるでしょう。

とにかく、他者の評価、社会の価値観などに惑わされず、自分が大事にしたいと思うものを、しっかり大事にしていくようにしましょう。

たとえ、さまざまな事情で、自分の優先順位を完全に守ることはできなくても、自分にとっての優先順位や、自分にとって大切なものを常に意識するだけで、人生は変わります。

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