親の習慣が子どもの成長を大きく左右する
よほど子どもを上手く導ける親ならまだしも、ほとんどの親にとって勉強の指導は、プロに任せたほうが効果的だ。
だから親はもっと、親だからできること、例えば人としての基本や躾を意識したほうがいい。
実際、勉強でもスポーツでも、成績が伸びない子に共通するのは、子どもの能力ではなく、親の習慣だったりする。
例えば、時間にルーズだったり、独りよがりだったり、子どもに話すスキを与えず、親ばかりが話してしまったり……。
このような親の習慣は、子ども自身の感性や能力の育成を阻んでしまうし、子どもの成長を一緒になって助けてくれるはずの、学校や塾の先生たちにとっても、マイナスに働く。
子どもに内仕事を教えるのが親の役割
親が親であるために、私がお勧めしているのが、「内仕事の分担」だ。
仕事には2種類あって、外貨を稼ぐ外仕事と、生活を営んでいくために欠かせない内仕事がある。
掃除、洗濯、食事の準備などが内仕事だ。
昔は子どもであっても、内仕事を分担するのが当たり前だった。
私も子どもの頃は、朝起きて寺の掃除をして、朝ごはんの準備をしなかったら、試験や部活の試合にも行かせてもらえなかった。
それが今は、普段から子どもに内仕事をさせず、さらに受験ともなると、まるで王子様、王女様に仕える僕のように、親が子ども部屋に食事を運んだり、生活の世話をする。
それは全く受験勉強の助けにならないどころか、子どもの生きる力そのものを奪ってしまう。
勉強の成績はそこそこいいが、自信がなく、生活能力が低く、応用力のない人間を作ってしまう。
受験とは何か。
そもそも親の果たす役割とは何か。
その根本的な問いを親自身が忘れなければ、子どもはもっと親の呪縛から解放され、伸び伸びと、自分自身の意志と努力によって、自らの将来を切り開いてゆくことだろう。
親は、親自身の楽しみやチャレンジに取り組めばいい。子どもはその背中を見て、やる気や勇気をもらうのだから。