テスラを追うのではなく、小さなEVに突破口はある
現在、インド事業は22年度で30億円の売り上げで黒字化している。今期の売上高は35億円を見込む。
リチウムイオン電池(主にリン酸鉄)は中国からセルを輸入してインドでモジュールに組み付けている。来年にはボディーやシャーシーも、中国ではなくインドで生産していく。
市場の爆発的な拡大に対応し3事業を拡充するため、来年には米ナスダックに上場する計画だ。
上田氏は1985年生まれ。桃山学院大学を卒業し、シャープ入社。サウジアラビアなどに駐在し中近東・アフリカでの家電事業拡大に従事。15年3月にテラモーターズに入社しアジア4カ国統括部長を経て、19年10月に二代目社長に就任。インド事業を担っている。
上田氏は言う。
「インドでの日本企業への信頼度は高い。『日本の会社です』と話すと、信用してもらえます。スズキをはじめ、日本企業のこれまでの活動が評価されているためです。
ただし今、インドEV市場では、韓国の現代自動車や中国BYDの動きは速く、日本の自動車メーカーは、このままでは”ヤバい”状態になってしまう。日本の自動車産業が、電機産業と同じように沈んでいったなら一大事です。テラモーターズは小さなEVをもって、インドに続きタイにも近く進出していきます。日本のモノづくりが、世界で負けるわけにはいかない」
テスラやBYDを追うだけではなく、「小さなEV」に日本メーカーの突破口があるのではないか。