〈「ラクダはバーベキューで食べてた」湾岸戦争中は車で避難、アラブの春で外出制限…日本人と国際結婚したエジプト人妻が語る、幼少期の壮絶な暮らしぶり〉から続く
2016年に日本人男性と結婚し、現在日本で子育て中でもあるエジプト人YouTuberの八十恵(やそ・めぐみ)さん。来日直後からアラビア語でのYouTubeチャンネル『Planet NIHON』で日本の生活を紹介し、現在、登録者数は約65万人となっている。そして2年前からは日本語チャンネル『THEエジプト人です!』も開設。
日本で登録した名前である「恵」の愛称「メグ」として、日本とエジプトの架け橋になっている彼女に、エジプトの現在から、結婚の経緯、国際結婚の難しさなどを聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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交際0日で日本人男性にプロポーズした理由
――交際0日で、恵さんから現在のパートナーである日本人男性にプロポーズしたのはなぜですか。
八十恵さん(以降、恵) 自分のソウルメイトに会ったらわかると思います。それに、小さい時は湾岸戦争、大人になってからはアラブの春(中東で2011年頃からはじまった大規模反政府運動)と、あんまりいい思い出がなくて。そんな中で、また今の夫とお別れになってしまうのは嫌だなと思ったんです。
――最初の出会いから5年、毎年一度、お祭りのようなイベントで顔を合わせていたそうですが、その間、会話もほとんどしたことがなかったそうですね。具体的には、たとえばお祭りの準備の手際が良かったとか、何かグッときたポイントはありますか?
恵 お祭りは、日本人とエジプト人の交流会みたいなものだったんですけど、私は最初、白玉づくりを担当しました。彼は何をしてたかな……他にも焼きそば担当とかあったけど、でも、そういうことではないですね(笑)。
彼があと少しで帰国してしまうと聞いて、離れたくない、と強く思ったんです。それにエジプトでは、交際期間が長くなればなるほど愛は冷めていく、というイメージが強くて、恋愛よりも先にとにかく結婚してしまう文化なんです。