「広くて快適そう」と選んだ60平米のワンルーム

かつてデザイナーズマンションに住んだ経験を語ってくれたのは40代後半のカメラマン・山田隆弘さん(仮名)。

「以前、麻布にあった8階建てのデザイナーズマンションの6階に住んでいました。ワンフロアに2部屋しかなくて、隣人トラブルに悩まされることもなく、広くて快適そうだなと思って選んだんです。部屋は60平米のワンルーム。壁は全部コンクリート打ちっぱなしで床はフローリング、30畳以上はあったと思います。家賃は50万円でした。

ただ、オシャレではあったんですけど、収納は一切なくて、剥き出しのコンクリートに囲まれたショップみたいでした。

窓もすごくデカくて……。ほぼ壁一面が窓で、既製のカーテンがないんですよ。入ったときはカーテンくらい買えばいいかと思ったんですけど、オーダーメイドで作ったら、たしか40万円くらいかかった。

とにかくムダに広いし、家具の置き方に悩まされましたね。仕方ないので部屋の真ん中にダブルベッドをバンと置いて、あとはデカい冷蔵庫を置いたくらい。ただ、生活感がなくて雰囲気があったので女の子は喜んでくれましたね(笑)」

冬場の暖房代は月に5~6万円

一番の悩みは、やはり空調対策だったという。

「困ったのは寒さ対策です。古いマンションだったのでコンクリートには一切断熱材とか入ってない打ちっぱなしなんですよ。とにかくめっちゃ寒かった。しかも広いから、冬になると暖房をかなり長時間かけておかないとあたたまらない。

住みはじめたときはまだあたたかい時期で、冷房が問題なくきいていたので気づかなかったんですが、冬になってからぜんぜん暖房きかないって分かってからが地獄でした。エアコンだけじゃ話にならないから電気ストーブとか入れて、最終的に大きいラグを買って、絨毯も敷いて、さらに電気毛布にくるまって過ごしていました。冬場の暖房代は月に5~6万円はかかっていたと思います」

さらに、物件選びで大きなポイントとなる“水回り”にもこんな問題が。