3年半前のガソリン価格は124円/Lだった
車を運転する方は、ガソリンスタンドの電光掲示板の毎日の値段がとても気になることだろう。車をあまり運転しない私ですら、地方で車に乗っているとガソリンの値段表示につい目をやってしまう。
9月の頭には、レギュラーガソリン180円/L超えは当たり前。地域によっては、190円が目前のところもあった。160円台だったのは、いったいいつだっただろうか。記憶を辿れないほど遠い昔のように感じる。
資源エネルギー庁の資料を調べてみたらレギュラーガソリン1リットルあたりの小売現金価格(全国平均)は、2020年5月が一番安く、124.8円だった。
そこから2020年は、それでも130円台で推移。2021年の2月に141.4円にじわり上昇。4月に150.4円。そして、その年の10月には、160.0円に上がってしまった。
ウクライナにロシアが侵攻した2022年2月24日。直後の2月28日に行われた調査結果では、全国平均は172.8円になっていた。
8月に最高値を記録、地方からは怒りの声
今年8月7日の調査は、180.3円と180円を超え、9月11日調査では182.2円になってしまった。同じ調査で長崎県のガソリンの平均価格は、なんと192.5円に達していた。鹿児島県でも192.4円。もう200円が目の前という状況だった。このガソリン価格は、ドライバーや流通業界には大変に厳しい値段だ。
「コロナの感染がやっと収束して、どんどん旅に行ってくれと言われても、こんなに高いガソリン代では、遠くに家族でドライブに行けるわけがない」
「物価も上がっているのに、運搬費がこんなに上がってしまっては、会社をやっていけない。お客さんには申し訳ないが、また商品に転嫁し値上げするしか手がない」と、私の生まれ故郷の鳥取県境港市の商店主や漁業関係者は、私にボヤキ節を浴びせる。
大阪や取材で訪れた秋田や北海道でも不満は同じだった。特に地方の方が、生活において車は、生活の必需品。車が無いと商売も通勤もできないという人も多い。それだけに、怒りのボリュームは大きかった。
このガソリン高騰は、政府や自民党に大きな焦りを呼んだことは言うまでもない。
8月28日には、レギュラーガソリンの小売価格は全国平均で185.6円となった。これは現在の方法での調査(資源エネルギー庁)での、1990年以降では最高値を更新した。この時、前週比でいうと1リットルあたり1.9円も上昇したのだった。