国と地方の双方で人材が払底している
自民党にも、かつては山中貞則、小渕恵三、橋本龍太郎、野中広務などのように、沖縄に理解が深く、基地問題の解決にも尽力した政治家がいたが、今は同じ役割を担える国会議員はほとんどいない。
また、沖縄の政治家を見ても、中央とのパイプを活かして、一定の妥協をしながらも、沖縄県民の意向を最大限実現できる人材が減っている。
国政と沖縄県政、双方での人材払底と、妥協する姿勢の欠如が問題をこじらせている。
地方自治法を改正すれば片付く問題ではない。
追い込まれた川勝知事
静岡県の川勝平太知事も、中央新幹線(リニア)工事を許可しなかったことで、玉城知事と同様な問題を抱えていることが明らかになった。
また川勝知事は、2021年10月に行われた参議院静岡県選挙区補選の応援演説で、自身が支援する候補の対立候補について、その出身地である御殿場市を侮辱するような「コシヒカリ発言」をして、問題になり、県議会で辞職勧告決議が可決された。
そこで、川勝知事はペナルティーとして自らの給与返上を明らかにしたが、2年間実行していなかった。それが今頃発覚し、知事は給与減額の条例案を県議会9月定例会に提出した。
この件で、10月4日、県議会総務委員会で集中審議が行われた。
県議会で過半数を占める最大会派、自民改革会議は、条例案を付帯決議付きで容認することにし、6日に委員会で採決した。13日の本会議でも可決される見通しである。
自民会派内部では、不適切発言の責任をとる方法として給与減額条例案が先例となることへの懸念も指摘されている。そのこともあって、付帯決議は、「コシヒカリ発言」で県民に与えた不信が給与減額で払拭しないこと、辞職勧告の効力に影響がないことの認識を持つこと、今後不適切な発言をしないことなどを知事に求める内容になっている。
これまで、川勝知事のスタンドプレーが目立ち、マスコミでもスポットライトが当てられてきたが、議会がブレーキを踏み始めたようである。