先手を打つより、一歩後を行くほうが成功しやすい
この場合、ただ単に勝ちを狙うなら、パーを出しつづけるのがよいです。しかし、なるべく高い得点をお互いがとることを考えると、よい方法ではないのです。
そこで協調路線をとります。この場合、協調路線は最初にグーを出すこと。
ゲームが始まったらまずはグーを出します。相手もグーを出すかぎり、こちらもグーを出しつづける。しかし相手がパーを出したら、次はパーを出します。相手がパーを出すかぎり、こちらもパーを出し、相手がグーに戻ったらこちらもグーに戻る。この方法がもっとも高得点を得られるのです。
つまり、先手を打って勝とうとするのでなく、相手の一歩後を行く。えげつない戦い方をするのではなく、社会性のある品のいい戦い方をするのです。それが結局はお互いの利益につながります。
この戦い方は、私たちの日常にも十分に応用できます。
たとえば部下に仕事を頼むとき。上司に休暇願いを出すとき。夫に家事の分担を頼むとき。隣家の騒音に困り、やめてほしいとお願いするとき。
自分が有利になるように先手を打って勝とうとするのではなく、社会性のある品のよい行動で最終的なお互いの利益を狙うのです。
突然、隣家の人が「うるさい!」と怒鳴り込んできたら、何だかよくわからずともこちらもカッとなりそうですが、「すみませんが、実は音が気になりまして……」とていねいに言われたら聞いてみようという気になります。
粗野な振る舞いよりも、品のある行動のほうが人の心を動かすのです。
「もし宝くじが当たったら?」運のいい人は何と答えるか
ある日、宝くじで3億円が当たったとしましょう。あなたはこの3億円を何に使いますか?
ちなみに、「とりあえずためておく」という答えはナシです。
さて、あなたはとっさに答えることができたでしょうか。
もしできたとしたら、あなたは運のいい人といえます。
自分の夢が叶うかどうか、幸運の矢をキャッチできるかどうかは、実はここがポイントです。
夢を叶える人、セレンディピティーを発揮できる人というのは、常に頭のどこかで自分の目標や夢について考えています。目標や夢が叶った状態を、いつも思い描いているのです。
お金では買えない目標や夢は多いと思いますが、目標や夢の実現のためにお金が役立つことは少なくないでしょう。目標や夢について常に考えている人は、思いがけず当たった3億円を、即、目標や夢の実現のために使おう、と考えるはずです。つまり、先ほどの「運のいい人」をもう少し正確にいうなら、「3億円を目標や夢の実現のために使うと答えた人は運のいい人」となるのです。
流れ星にお願いごとをすると願いが叶う、といわれているのも同じですね。これは星が願いを叶えてくれるのではなく、「いつも頭のどこかで目標や夢について考えている状態」が自分を目標や夢の実現へと近づけているのです。