体調や機嫌を察知して話を切り替える

<strong>ジョンソン・エンド・ジョンソン ブレストケアグループ ナショナルセールスマネジャー●佐藤真理</strong><br>1969年、山口県生まれ。94年、J&J入社以来、一貫して営業に携わり、2008年より現職。土曜日にも研究会に参加するなど、忙しい1週間を送っている。
ジョンソン・エンド・ジョンソン ブレストケアグループ ナショナルセールスマネジャー●佐藤真理
1969年、山口県生まれ。94年、J&J入社以来、一貫して営業に携わり、2008年より現職。土曜日にも研究会に参加するなど、忙しい1週間を送っている。

同社には営業部門の管理職は200数人いるが、営業の女性管理職はわずかに3人。佐藤真理さんはそのうちの1人で、10年前に日本で販売を開始した乳ガンの確定診断に使用する医療機器マンモトーム(R)を、8年前から担当している。クライアントは、乳腺外科と放射線科の医師が中心だ。

「乳房を4~5センチ程度切開して組織を採取する従来の方法と比べ、マンモトーム生検は、4ミリの切開のみで患者のダメージも少なく、確定診断が実施できるというメリットがあります。全世界ではすでに6500台以上導入されていますが、日本はその10分の1以下。まだまだこれから伸びる分野です」

当初、クライアント側にはこの新しい機器に対する戸惑いもあったが、今では、営業もしやすくなった。ただし、1台数百万円するものだけに、そう簡単に採用されない。営業担当の部下8人を率いる立場(セールスマネジャー)になっても、佐藤さんの仕事の基本は医師に会うこと。

「年賀状は550枚書きました。全国の先生にまんべんなく定期的に会うことは物理的に不可能なので、季節のハガキやメールを活用して疎遠にならないように気をつけています。以前、『買ったら連絡が全然来なくなった』と言われたこともあって、猛省しました」

1カ月のうち10日以上は出張して、できるだけ多くの医師に直接会う。

「最初にアポをとるときには、ネットで外来表を確認して、外来のない日に連絡します。なかには、外来後のほうがいいと言う先生もいますが、何十人もの患者さんと対面する外来日は相当お疲れだと思い、遠慮しています。面談後は連絡しても差し支えない時間帯、曜日等をお聞きするとともに、メールや電話でのアクセスも許可いただけるか必ず確認して情報をストックしています。以前、部下に夜中にメールを出したら仕事のプレッシャーになると注意されたことがあり、部下には控えていますが、業務量の多い先生方の勤務時間を邪魔することなく連絡が取り合えるので、ここ数年はメールを多用しています。たまに夜中のメール交換で話が弾むこともあって、ケースバイケース。先生のリズムに合わせて臨機応変に対応しています」