AIがプロ並みのプロフィール写真をつくる
アメリカで「AI顔写真」が大きな注目を集めている。手持ちの自撮り写真をアプリに読み込ませるだけで、写真館で撮影したようなプロフィール写真をAIが自動生成する。価格・手軽さ・品質のバランスが非常に良いとして支持を集め、就職活動などのビジネスシーンで使われ始めている。
代表的なアプリのひとつであるAI写真編集アプリ「Remini」は7月、米App Storeの総合トップに君臨した。米大手ニュースネットワークのABCニュースが報じた米国App Storeのランキングでは、7月19日時点でiPhone向け無料アプリのダウンロード数で総合トップを獲得した。
米技術ニュースサイトのテック・クランチは、この前週となる7月11日時点でも総合トップだったと報じている。わずか数日前にはMeta社のSNSアプリThreadsがリリースされ大きな注目を集めたが、その状況での快挙だった。同社によると世界で累計2200万回以上ダウンロードされており、7月20日時点で日別アクティブユーザー数は2000万人を超えているという。
Reminiに自撮り写真を10枚程度読み込ませると、写真館で撮影したかのようなプロフェッショナルな仕上がりの新たな写真が生成される。顔は特段加工せず、服装や背景だけをビジネスの場にふさわしいスタイルに変更することも可能だ。
証明写真に利用されるAI顔写真
米公共放送のNPRは、アメリカの若者たちが、職場でAI顔写真に頼り始めていると報道。企業に入社したばかりの女性が書類にAI顔写真を使い、これまでのところ気づかれていないと言う実例を挙げている。
スタンフォード大学の修士課程で科学技術分野の公共政策を専攻したソフィア・ジョーンズさんは、イーロン・マスクCEO率いるSpaceX社でフルタイムの仕事を獲得した。順風満帆な彼女だが、小さな秘密があるのだという。実は彼女が会社に提出した顔写真は、実際に撮影したものではない。彼女の顔をもとにAIが生成した、AI顔写真だ。