日本の大学へ進学する生徒が増えてきた

私はIISJの卒業生の大学進学には力を入れており、できる限り優秀でレベルの高い大学に進学してほしいと考えています。当然ですが、それが実現できるか否かは個人の努力に大きく依存します。その結果、これまで、日本の大学では、京都大学、早稲田大学、慶應大学、名古屋大学、筑波大学、芝浦工業大学などに進学実績ができています。また、海外では、米国、英国、ニュージーランド、シンガポール、香港、インドなどの大学にも進学しています。医学部志望者は英国の大学に進学しています。

コロナ以前には、卒業生が米国の大学に留学するケースが多かったのですが、最近その状況に変化が出ています。つまり、日本の大学への進学が徐々に増えつつあるのです。最近、米国が外国人留学生の受け入れを絞ってきた一方で、日本の大学では、文部科学省の「グローバル30」(G30)という事業が始まり、英語での授業や、奨学金枠を増やしたりして優秀な外国人留学生の受け入れに本気で取り組んでいます。

その結果、外国人も日本の大学でレベルの高い教育が受けられるようになり、インド人もそのことに気が付いたのです。過去3~4年の傾向ですが、日本に住む多くのインド人は、自分の子供を日本の大学に行かせようと考えるようになってきています。

私が最初に日本に来た頃は、インドについては、「カレーと熱帯の暑い国」というイメージしかありませんでしたが、最近では、「インド人は理数系・ITに強い」ということが日本でも知れ渡り、教育に携わる自分としても嬉しい限りです。

※G30は、2020年を目途に30万人の留学生受け入れを目指す「留学生30万人計画」の一環で、日本の大学の「国際競争力」を高め、魅力的な教育内容を提供することで、「能力の高い留学生」を世界中から日本に集め、外国人留学生と日本人学生が「切磋琢磨せっさたくま」する環境を、日本国内に設けることで、「国際的に活躍できる人材の養成」を実現することを目的とする事業。