本来であれば、週2~3回は30分程度の有酸素運動をしたほうがいいでしょう。加えて筋力トレーニングもできれば理想的です。しかし、多くのビジネスパーソンは平日に運動の時間はとれません。そんな方は、仕事中に「20分に1回立ち上がる」「両手を肩にのせて肘を回す」ことを意識してください。たったこれだけでも、十分に関節は動き、関節痛の予防になります。

通勤や会社内で歩くことも立派な有酸素運動です。エスカレーターで立ち止まるのではなく、階段を上ってみたり、帰りに一駅分歩いてみたり、できるだけ歩く意識を持つとよいでしょう。

自宅にストレッチポール(長い丸太のようなエクササイズ器具)を置いて、その上に仰向けで寝そべるのもオススメです。ポールの上で背伸びするだけで胸郭が開いたり、背骨のそりを矯正できたりするので、寝る前のストレッチに有効です。

一方、ふだんから運動している人は、負荷のかけすぎで関節を痛めることがあります。トレーニングは追い込むほど効果的に思えてしまいます。しかし、正しいフォームで、適切な負荷をかけてこそトレーニングに意味がでます。しっかりとしたトレーニング方法を身に付けるためにも、やはり理学療法士など第三者に見てもらうべきでしょう。

手術不要の再生医療は最高の治療

肥満体形の方はどうしても関節に負担がかかり、痛めてしまう傾向にあります。だからといって、むやみに食事量を減らして体重を落とせばいいわけでもありません。筋肉量が不足してしまうと、関節の強度が下がります。

つまり、良質な食事とトレーニングの両立が重要になるわけですが、もっっとも大切なのは「タンパク質」「アミノ酸」を十分に摂取することです。「ささみ」や「大豆」には多くのタンパク質とアミノ酸が含まれているので、食事に取り入れることを推奨しています。それでも、タンパク質は不足しがちなので、コンビニで手軽に買えるプロテインを飲むのもいいと思います。

完治はありえない、手術以外の選択肢がないと考えられていた症状も、再生医療ならば治療することが可能です。しかし、私生活の見直しを忘れてはいけません。規則正しい食生活を意識し、適切な体の使い方を理学療法士といった第三者の視点から学びましょう。時間的に難しい人はオフィスや自宅でストレッチをしましょう。ほんの少しでも構いませんから、無理のない範囲で自分の体と向き合うことが、関節痛や腱鞘炎に悩まないための近道といえるのではないでしょうか。

(構成=井之頭こうしん 撮影=宇佐美雅浩)
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