「付き合う前の、あの時間」にキュンとする

企画を考えたとき、まず社内のプロジェクトチームで「見るとキュンとする動画ってどんなものだろう?」と話し合いました。

恋愛についていろいろな人に聞いてみると、みんな口を揃えるのが「付き合う前の、あの時間」と言います。

「くっ付きそうだけれどくっ付かない」「気になるけれど、口にはしない」といった恋愛初期の雰囲気は、誰でも経験したことがあるものだと思います。それを訴求することで「自分も恋愛をしたい」という気持ちを引き起こすことはできないかと考えました。

そこから、少女漫画にもあるような「幼馴染」というキーワードが挙がりました。ちょっとキュンとする仲よし感、恋が芽生えてしまいそうになる瞬間、あるいは、「この人だけは理解してくれる」というような心理的な繋がりを表現するのはどうか、というアイデアです。

タップルのアカウントで配信されているそれぞれの動画では、告白する場面や誕生日のお祝いといった特別なシーンではなく、日常生活の中でのちょっとした駆け引きや思いやりを表現しています。

一緒に近くのコンビニに行った帰り道、しりとりゲーム、友達の恋バナをニヤニヤしながら応援するなどといったシーンを切り取っています。

【図表】幼馴染と共同生活中【おさ活】
出典=『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』(クロスメディア・パブリッシング)

ブランディング施策がコンバージョンに繋がるのか?

「おさ活」の運用は、多くの人にタップルを知ってもらうという目的もありますが、プロジェクトを始める時点ですでにタップルは認知度の高いブランドでした。

メインの目的は、「恋愛総量を上げる」ことを通して、タップルを知っている人たちに、より魅力的なブランドとして認識してもらうことです。

そこで、再生数とフォロワー数に標準を置いてプロジェクトを進めていました。ただこうしたブランディング施策をする際によく出る議論として、「本当にコンバージョンに繋がるのか」といったことがあります。動画をたくさんの人に見てもらったところで、実際に売り上げが増えるのかという考え方です。

まず、「おさ活」のコンテンツの再生回数は、総計で2億回以上、平均で100万回以上です。各動画の最後には、タップルのロゴがアニメーションで表示されます。

「単純接触効果」といわれるように、人には見た数が多いほど好感度が上がるという心理があります。少なくとも、実際の効果にも繋がっているはずです。同じことを広告でやろうとしても、まず届かない数字です。

より直接的なコンバージョンの面でも結果が出ています。タップルのアプリをダウンロードするとアンケートがあり、どこでサービスを知ったかを答える項目があります。その中でも「おさ活」からのダウンロードが多くなっていました。