早熟型か、晩熟型か

身長が止まる時期については、身長の伸びと同様で個人差がとても大きいのですが、成長曲線を見ればだいたいわかります。男女とも18歳付近ではほとんど伸びが見られません。一般的には、身長は思春期スパートで大きく伸びたあとは、次第にあまり伸びなくなり、18歳くらいで止まる(女子はもう少し早い)ということになります。しかし、20歳過ぎても伸びたという話をときどき耳にします。

そもそも思春期に身長が伸び始める時期に個人差が見られます。早熟の場合、最初から背が高ければ最終身長も比較的高くなりますが、どちらかというと晩熟型の子どもに抜かされてしまうケースが多いです。また、思春期に身長スパートが早く始まると、その伸び方は急激なことが多く、パーセンタイル基準線のレベルを1つか2つ越えてぐんぐん伸びます。でもそれは長く続かず、早期に止まってしまいます。

晩熟型は伸び始める時期が遅く、ゆっくり伸び始めて、しかも伸びる期間が長いので、まだ伸びているの? と思うくらい伸びることがあります。

それなら誰でも晩熟型になればよいのに、と思っても、そううまくはいかないのが発育というものです。ただ、もともとの資質を十分に発揮するための生活の仕方、というものはあります。ここでは身長が止まることについてもう少しお話ししたいと思います。

身長は、とにかく伸びがゼロになったら止まったということなのですが、日内変動があり、なかなかぴったり同じ値は出ないものです。ときにはマイナスになったりして何度も測り直すこともあるでしょう。また、少しでも前より高い値が出たら、伸びた! と思うかもしれません。そこで、多くの研究においては、1年間の伸びが1cm未満になったときを止まったとしています。もちろんこの後もまた伸びが見られることもあり、まだ止まっていなかったという事例も見られます。

男子は声変わり、女子は初潮

外見からそろそろ止まるかな、とわかるのは、男子なら声変わりをした後、女子であれば初潮が発来したあとに、徐々に伸びる量は減っていき、やがて止まる時期が訪れます。

しかし、なかには、そこから10cm以上伸びたという例も男女ともにありますから、これまた一概にはいえません。

一般的には、身長スパートが始まり、1~2年して最大発育期を迎えて大きく伸び、その後伸びが少し緩やかになった頃が、思春期(第二次性徴)が後半に入ってきた印です。ここからの身長の伸びは限られてくるのが普通です。

ただし、最大発育期の後の生活の仕方も重要で、睡眠不足などが続くとその後の身長の伸びに明らかに悪影響を与えますし、食事の内容や摂り方も重要です。さらに運動の仕方も影響が大きいことから、「身長が伸びている時期の過ごし方によって、伸びる量も期間も違ってくる」ということになります。