誕生日をアピールするのは、人とつながるチャネルを作り、関係性を深める機会をつくろうとしているから。また、お祝いメッセージをくれるかどうかで自分に対する相手の友情を測っているとも考えられます。

アナログ世代の僕からすると、こんな間接的な方法のほうがダサいと思ってしまうのですが、今の時代、空気を読んだコミュニケーションがマジョリティーなのです。

都会より「田舎映え」を求めるようになった

③「田舎映え」とは、田舎でしか撮影できない「映え」をSNSに投稿し、差別化を図ろうとするものです。友達とプチ旅行をし、友情を深めるきっかけにもなっています。

ビーチで夕日を背景に写真を撮る人たち
写真=iStock.com/1550539
※写真はイメージです

これは、近年SNS上で流行したとても面白い現象です。今までの「映え」は、東京や大阪のお洒落なカフェといった洗練されたスポットで撮影される、もっぱら都会的なものでした。

ところが、あまりにも多くの似通った投稿がSNSにあふれた結果、Z世代は「都会の映え」に飽きてしまった。コロナ禍で海外に行きにくくなったことも重なり、これまで目を向けられてこなかった日本の地方が注目されるようになりました。

例えば、ライトをつけたビニール傘を真っ暗闇のなか差す「傘ライト」、100均で購入できる月の形をしたライトを海辺で投げて撮影する「月ライト」、特殊なサングラスを使って花火の光をハート型に見せる「ハートサングラス」など、田舎だからこそ撮れる映えがブームになっています。

最近では、再び旅行がしやすくなったものの、Z世代の旅行先は国内が主流です。気軽に行ける地方旅行に友達を誘い、旅先で「田舎映え」を撮ってSNSに投稿する――これも、友情を確認し合い、深めるための手段となっていると思います。

「スナップチャット」が注目されているワケ

④「いつメンSNS」とは、限られた友人だけで使うSNSのことです。

インスタグラムやTikTokといったこれまでの広く浅くつながるSNSとは違い、本当に仲のいい「いつメン(いつものメンバー)」とだけつながれるアプリ(=いつメンSNS)を利用する人が増えました。コロナ禍で失われた「深く狭い人間関係」を求めるZ世代の心理が最も端的に表れていると思います。

「いつメンSNS」の中で最も注目されているのが、Snapchat(スナップチャット、略称スナチャ)です。友達同士やグループでメッセージや画像、動画などを共有できるSNSアプリで、アメリカでは10代から圧倒的に支持されています。