新聞は1面から読んではいけない
「日経新聞を後ろから読む」こともお勧めする。その理由は、初めから読んでいると、日経新聞の論調にいつの間にか流されてしまいかねないからである。
どの新聞社も読者が1面から目を通すことを想定して、読ませたいと思っている記事から順番に構成している。だが、我々が新聞を読む理由は情報を入手したいからで、新聞社の論調や考え方に関心を持っているからではない。
ちなみに私の場合、日経新聞に書かれている記事を客観的にとらえるために、必要に応じて日経新聞の対極にある東京新聞を読むようにしている。1つの事柄を別の視点から相対化することができるので、東京新聞の記事の切り抜きも日経新聞の切り抜きノートに添えるようにしている。
1面の記事は見出しも大きいし、文字数も多く、2・3面にも役立つ情報が多い。これらの紙面を先に読んでしまうと、それだけで「もう十分」という気になってしまい、後ろのほうに出ている株式投資のヒントになる小さな記事を見逃してしまう可能性がある。
もちろん、だからといって最初のほうの記事を読まなくてよいというわけではない。前半の紙面には世の中の大きな動きを伝えている記事が掲載されているので、必ず目を通す必要がある。しかし、そうした記事ばかりに惹かれることなく、株式投資に役立つヒントを得るには、日経新聞を後ろから読むのも1つの方法である。
要は日経新聞をどう読むかであって、そこに決まり事はないものの、ただ漠然と読むのではなく、多くの記事から活用できる記事を探し出して、何を読み取るかが大切になる。
「変化・転換点」に着目する
日経新聞を読むのに何時間も費やせる人はいいが、ただ闇雲に時間を費やしてもそれほど重要でない記事に惹かれてしまう可能性がある。また、多忙な人なら各紙面をすみずみまで読むことは難しいだろう。
そこで覚えておきたいのが、新聞を読むコツだ。
まず、どの新聞も見出しがあり、大見出し、中見出し、小見出しを読むだけでも、日々の出来事を知ることができる。次いで、大きく扱われている記事には大見出しのあとにリード文が付いているので、リード文を読めばその記事の概要がわかる。そしてその詳細は本文に書かれている。
つまり、新聞は大・中・小の“3段論法”で構成されているということを再認識しておきたい。
日経新聞の構成は、その日のトップニュースが掲載されている1面から始まって、総合、政治・外交、経済・政策の紙面へ、次いでオピニオン、金融経済、グローバル市場、国際・アジアBiz、ビジネス・テック、投資情報、マーケット商品、マーケット総合、マーケットデータ、証券、経済教室、医療・健康、教育、特集、スポーツ、社会、文化という順番になっている。
どの紙面から読み始めてもいいが、心掛けたいのは“変化や転換点”をつかむことだ。日経新聞には国内外の政治・経済の変化、企業の業績、市場の転換点など、株式投資のヒントとなる情報が多く掲載されている。