忘れること前提で何度も繰り返せばOK

子どもは忘れる生き物です。びっくりするくらい忘れます。

そして大人になると、こんなにも子どもの頃に忘れていたこと自体を忘れてしまうんですよね。だから、親としては「昨日言ったばかりでしょう!」「もう何回も言っているじゃないの!」とイライラしてしまいます。

でも、「子どもは忘れる生き物なのだ」と思っていれば、少しだけ気持ちがラクになりませんか?

どんどん忘れていくことを念頭に置いて、根気よく、繰り返し学んでいくことが大切です。SAPIXのカリキュラムも子どもが忘れることを前提としてつくられています。だから、何回も何回も何回も同じ内容がでてきます。

覚えておいてほしい漢字や知識について、「絶対に忘れないようにね」と子どもに念押ししてもあまり意味がないでしょう。

それよりも、忘れていたら「また覚えよう」と前向きな声をかけていきましょう。忘れたことに一喜一憂するよりも、次は覚えていられるように、もう1回丁寧に繰り返していく。これが大事なポイントです。

イライラしないもう一つの方法として、お父さんお母さんが何かまったく新しい学びをスタートしてみるのもいいかもしれません。案外、1週間前に習ったことも覚えていないものです。

リアルタイムに自分が忘れてしまうような体験をしていれば、「なかなか覚えていられないものだよね」とおおらかな気持ちになれるかもしれません。

ノートを取ることは頭の整理に役立つ

授業中に板書や先生の話をノートに取ることは、「思考を整理して書く」というアウトプットの基本トレーニングになります。

しかし、時間もかかるし面倒くさいので「書くこと」を嫌う子どもは多いです。人間はどうしてもラクな方向に流れていくものだから、仕方ないのかもしれません。

机の上にうつ伏せに横たわっている少年、彼はもう勉強したくない
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

授業時間の節約のために最近では、学校や塾でも穴埋めプリントで板書の代用をすることも多いようです。

ただ、メモを取らない子は、その場ではわかったつもりでも、結局記憶に残っていないケースがほとんどです。

ノートは頭が整理されていないと上手に取ることができません。ノートを取るのに時間がかかる子の多くは、その内容を理解しておらず、一字ずつ書き写しています。

つまり、うまくノートを取ることと内容の理解度はリンクしていることがほとんどです。