若者は仕事に何を求めているのか。リクルートワークス研究所の古屋星斗さんは「若者が多様化していて、平均像を語るのは難しい。共通する傾向があるとすれば、プライベート志向とコストパフォーマンス志向だ」という――。

※本稿は、古屋星斗『ゆるい職場―若者の不安の知られざる理由』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

「若者」たちは少なくとも2層に分かれている

世間では、「Z世代は○○だ」「最近の若者は○○だ」という言説にあふれている。こうした意見を言いたくなる気持ちもわかるが、しかしこういった平均像で現代の若者を語る言説は(少なくとも就労やキャリアに関しては)、ほとんどが物事を過剰に簡略化しているか、そうでなければ現実が理解できていない誤解であると考える。理由はシンプルで、若者が多様化しているために「若者=○○」という一律の言い切りが成立しなくなっているためである。