徳川家康は、幼少期を今川家の人質として駿府(静岡県静岡市)で過ごした。歴史学者の濱田浩一郎さんは「NHK大河ドラマをはじめ、さまざまな作品で人質時代は不遇の時代のように描かれているが、それは違う。実際は、今川義元から丁重に扱われていたようだ」という――。
徳川家康公像
徳川家康公像(写真=z tanuki/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

「今川義元に収奪される三河武士」は本当か?

大河ドラマ「どうする家康」第1回「どうする桶狭間」(1月8日放送)では、若き頃の徳川家康が、人質として過ごしていた駿府から父祖の地・岡崎に一時帰還、三河衆(家臣)から饗応される場面が描かれました。

その時、家康の側近く仕える石川数正は、家康に次のような言葉をかけたのです。