欠点は自分だけの武器になる

あと、外国育ちとか中卒とか、変わった経歴は重視しますね。

中卒である程度の実績がある人は、学歴に頼らずに成果を出しているということなので、仕事はできるのだろうとわかります。中卒ということで、おそらく人よりも荒波にもまれているでしょうし。おまけに、上場企業などでは中卒だと足切りされたりするので転職しづらいという点も、雇う側としてはプラス材料です。

もちろん、転職は必ず発生することなので止めもしないのですが、転職されると会社はまた採用しないといけないのでコストがかかるんです。まあ、転職してくれると取引先が増えたりもするので、メリットもあるんですが。

僕の知り合いに、中卒でIT企業の経営者になった人がいます。その人は、いつも初対面の相手に「自分は中卒だ」と自己紹介するんです。経営者なので学歴なんてどうでもいいと思うのですが、中卒って言うと珍しがられて、相手が話に食いついてくるそうです。

その人自身は仕事ができるにもかかわらず、「言っておくと有利になるカード」があるから使っているわけです。

このように、マイナス要素だと思いがちな欠点も、使い方しだいで、自分にしかない武器に化けます。なので、コンプレックスや過去の失敗もあえてさらけ出してみると、あなたの手持ちのカードになったりします。

英語で長所、短所と書かれたノート
写真=iStock.com/designer491
※写真はイメージです

面接で自分を盛るウソをつくのはアリ

応募者にとっては、採用面接は自分をアピールする場ですよね。その際に、少しでも自分をよく見せようとウソをつく場合もあるでしょう。僕は面接で自分を盛るウソは、ついていいと考えています。

僕は採用側になるので、できることならウソをついてほしくはないとは思っていますが、世の中にそういうウソをつく人はいるので。採用側としては、自分を盛るウソをつく人がいるよね、という前提で見ざるを得ないですよね。

一般的に採用面接で“盛る”のは当たり前なので、ウソをついて自分をよく見せる人が来たら、「あ、そういう能力があるんだな」という認識になります。

ただ、面接でウソだとわかった場合、僕はめっちゃ詰めて確認します(笑)。

でも、そのときにうまい切り返しができる人なら、まったく問題ありません。

営業などで話を盛ったりするのは当然なので、自分を盛れる能力があって、ウソがバレたときにもちゃんとリカバリーできる能力があるのなら、それは一つのスキルですからね。

もちろん、採用したら、「仕事ではウソをつくとトラブルになることもあるから、気をつけてね」とは言います。

ただし、社内の報告とかでウソをついたら、僕はめっちゃ詰めます。その能力を使ってはいけないときに使うのは違うよね、と(笑)。

人をだましてお金をとるウソはよくないのですが、就職という目的のために自分を盛ることくらいは、かわいいもんです。