次の保険の見直し。Fさんは外資系保険会社の高額な終身保険に加入している。老後の生活の備えが目的だった。このことが悪いというわけではないが、今は目の前の生活が回らなくなっているので老後よりも今を優先させよう。
まず終身保険を払い済みにする。払い済みとは保険料を払うことをやめて、それまでの積立金や解約返戻金などで契約できる分の保険金額にすること。保険金額は小さくなるが保障期間は変わらないし「お宝保険」の高い予定利率も維持できる。
一方で夫の死亡保障を掛け捨ての定期保険でカバーし、医療保険にも加入する。これで子どもの教育費がかかる大変な時期の保障を厚くしたうえで毎月3万円の節約ができる。
ただFさんのケースでは固定費だけの見直しで家計を再建することは不可能なので、やりくり費にも手を付けよう。着目するのは食費と被服費。食費は利用するスーパーを高級スーパーから一般のスーパーに変えるだけで約3割減らせる。高級スーパーにはない安いプライベートブランド商品があったり、ナショナルブランドの割引率も高い場合が多い。
洋服もブランド品を買う頻度を減らして、高品質で安い品を選ぼう。アウターを手持ちのブランド品にして、インナーを安い品にすれば“格落ち”感はない。近所に安い店がなければ通販を利用する手もある。
減収が一時的な出来事なら貯蓄を取り崩しながらしのぐことも考えられるが、Fさんの認識通り不況は構造的なことだろう。それなら生活を根本的に変えるしかない。