なぜ夏休みの宿題はすぐに終わらないのか。明治大学の堀田秀吾教授は「人間にはギリギリまで動き出せない脳のクセがある。これは能力の高低とは関係ない」という――。

※本稿は、堀田秀吾『世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

教科書やノートが置かれた机の上に突っ伏している男の子
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なぜ、人はギリギリまで動こうとしないのか?

みなさんは、夏休みの宿題をどのタイミングで行っていましたか?

30日間前後も休みがあるにもかかわらず、ついつい後回しにしてしまい、夏休み終了ギリギリで終わる――という人も多かったのではないでしょうか。

私自身、「あとでやろうはバカヤロウ」と言いつつも、仕事が立て込んでいるときなどは、ついつい締め切りギリギリまで後回しにしてしまい、あたふたする……なんてことが結構あります。いやはや、関係者のみなさま、申し訳ございません。

なぜ、人はギリギリまで動こうとしないのか?

イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンは著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』の中で、『パーキンソンの法則』を提唱しています。

第1法則 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

ざっくり説明すると、先の夏休みの宿題のように、「本当は3日で終わる課題も、長い期間で設定してしまうと、ギリギリまでかかってしまう」ことを指しています。

人間は締め切りやデッドラインがあることで、かえって“期限内に終えればいいや”と、いつまで経ってもやろうとしません。人は元来、できるだけ楽をしたい生き物ですから。