「既婚者限定マッチングアプリ」とは、どんな目的で使われているのか。街コンサイトを運営する三輪賢治さんは「既婚者同士の出会いの場を作ってはいるが、運営側は不倫を推奨しているわけではない。不倫相手を見つけられるかどうかは、利用者の使い方による」という――。

※本稿は、三輪賢治『100歳まで出会える人生』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

スマホを使用する既婚者男性の手元
写真=iStock.com/kazuma seki
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既婚者が出会いを求めるのは極めて高リスク

現在において、既婚者が配偶者以外の人と関係をもつことについてはどのように捉えられているのでしょうか。

これについては、公的な調査がないため、民間調査をベースに解説していきましょう。

基本的に、既婚者が恋愛をしたいと考え相手を探そうとするとき、独身者に比べて抱えているものが大きくなります。それに伴い、出会いから交際まで全ての期間におけるリスクも大きくなります。

配偶者にバレて離婚されるリスク、離婚となったら有責配偶者は子どもを失うリスク、身内から批判されるリスク、職場にバレて社会的な信用を失うリスク、慰謝料を請求されてお金を失う金銭的なリスク……というように、挙げてみると不倫はリスクが非常に高いのです。

ほとんどの人が、このリスクを恐れて出会いや恋愛を諦めるという判断を取るのでしょう。しかし、一方で、既婚者だからといって新たな出会いをあきらめなくてはならないのはおかしいと考える人たちもいるのも事実です。

それでも恋愛したい既婚者はどうするか

「セックスレスが長く続いていたら配偶者以外の異性を求めるのが自然である」
「会話がないなどお互いに関係を維持する努力がなくなったら他に恋愛関係を求めてもいいのではないか」
「子育てから手が離れ、互いに愛情がなくなっていたら離婚までせずとも、お互いに新しい人と恋愛関係を築いてもいいのではないか」

こうした考えにより、「不倫」「婚外恋愛」「卒婚」などを選ぶ人たちが現れています。

新しい相手と出会いたいという人間の自然な欲望は、結婚という社会的制約で抑え切れるものではありません。

そのため、時代とともに生まれた便利なツールやコンテンツにより、既婚者の出会いの場も大きく変化し、そして結婚しても恋愛をする人が増えてきています。

ネットでの出会いが盛んになる以前は、既婚者の出会いの場は日常生活の輪の中に限られていました。職場、仕事帰りに寄るスナックなど行きつけの店、休日の趣味や習い事の場などで関係が深まるパターン……それらが王道です。久しぶりの同窓会で初恋の相手と……なんていうのも、よく耳にする出会いのきっかけでした。

しかし、日常生活の輪の中での不倫関係は、仕事や生活を壊してしまうという危険性が大きくありました。現代のネットシステムは、より安全に、より多くの相手との出会いを可能にしました。そして、不倫や婚外恋愛に求められるルールやコツといったものも変化してきています。