※本稿は、三輪賢治『100歳まで出会える人生』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
愛人をカジュアルにした“パパ活女子”
パパ活――援助交際や売春という言葉にまとわりつく暗く重たいイメージに比べ、なんとカジュアルな響きなのでしょうか。
言葉の軽さが罪悪感、うしろめたさを希薄にするのでしょう。パパ活はツイッターのほか、SNSを利用する若い女性を中心に広がりを見せました。2017年にはインターネットテレビで、そのものズバリの『パパ活』なるタイトルのドラマまで配信され、言葉の認知度も急速に広まっていきました。
さて、その交際の方法ですが、定義は緩やかに変化していっているのが現状です。
パパ活とは、女性が男性とデートし、その対価として金銭の援助を受けること。昔は、お金持ちの男性に囲われる女性を“愛人”と呼んでいましたが“パパ活女子”は、そのライト版、カジュアル版とでも表現するとわかりやすいでしょうか。
デートの内容に決まりはなく、交渉の余地を残しながらも、基本的には女性側が設定した条件に男性が沿う形になります。食事やお酒に付き合うだけという女性もいれば、大人の関係、つまり性行為までOKだという女性もいます。
主役は港区のキラキラ女子から普通の女子へ
しかし、パパ活という言葉が生まれた2014年頃は、性行為の含まない関係を、援助交際や売春と区別するために“パパ活”と呼んでいました。しかし、メディアでの報道によりその関係がメジャーになればなるほど、行為も過激化し、近年は性行為を含む関係のほうが多いのが現実です。
もともとパパ活は、港区に存在する“港区女子”や“キラキラ女子”の間から始まったとされています。ラウンジでバイトするような、容姿が端麗で、おしゃれな女性たちです。SNSで輝いていた彼女たちは、同世代の女性たちの憧れの存在でした。そのため、彼女たちから始まったパパ活は、都心から地方へと、憧れられる一部の女子から普通の女子へと波及していき、市場規模は急速に膨らむこととなりました。
その急拡大を促したのが、出会い業者が競うようにリリースした、パパ活系のマッチングアプリの数々です。