崖っぷちの東芝は変われるのか

東芝が事業運営の効率性を引き上げるためには、コストカットを強化しなければならない。それによって資金を捻出し、成長期待の高い先端分野に再配分する。東芝が一定の力を保っているエネルギー、量子技術、パワー半導体などがその対象になるだろう。

そうした要素技術に磨きをかけるためには、実力に応じた人員配置が不可欠だ。米欧などでは政府が半導体分野などに補助金を支給し、先端分野の技術開発を加速させようとしている。一方、中国経済の成長率低下、世界的な物価高騰など事業環境の不安定感も一段と高まっている。

東芝を取り巻く事業環境の厳しさは増しそうだ。生き残りをかけて、追加の資産売却が必要になる可能性は高まっている。変革を主導するために、東芝は企業再建の実務家を経営トップに招き、意思決定をゆだねなければならない。言い換えれば、出資者など利害関係者と東芝が一致団結し、覚悟をもって自己変革を実行できるか否かが問われる。

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