実はAさんは、周囲に弱さを見せることを嫌がって、強がってばかりいました。また、「同期トップ」だった自分の能力を過信し、体力とIQに頼るスタンスのまま成長しませんでした。
何事もこだわって考えるため初動は遅く、さらに、仕事を抱え込んで全部を自分でこなそうとするばかり。なかなか成果につながりません。
そうこうしているうちに、Aさんの周囲からは助け合える「仲間」はいなくなっていきました。そのまま年を重ね、現在ではすっかり「周囲から煙たがられる存在」になってしまったのです。
「目立たない若者」から「300人組織のリーダー」になったBさん
一方、若いうちは“悪目立ち”するのを避けていたIT企業のBさんはどうでしょう。
Bさんは、学歴は高くなく、Aさんのように同期の中で目立つ存在でもありませんでした。
だからといってそれを卑下することはなく、20代のころから周囲の力を上手に借りながら自分なりのペースでコツコツ経験を重ね、実績を積み上げていきました。成果が出るようになっても、それで自分を過信するようなこともありませんでした。
そんなBさんは、30代後半にさしかかった現在、300人を超える組織のリーダーになっています。仕事はしっかりこなしながら、毎週末キャンプに行く“マニア”で、仕事もプライベートも充実しています。
20代の「行動の差」が、40代で大きな「格差」に
AさんとBさん、2人のキャリアを大きく隔てることになった要因こそ、20代のころから3つの行動習慣(「弱さをさらす」「迅速な初動」「周囲の巻き込み」)を身につけ、実行したかどうかにあります。
実践したBさんは、周囲に仲間を増やし、その力を借りることで、リーダーとしての才能を開花させていきました。Aさんも実践していれば、残業沼にハマることなく、「自分が主役」のキャリアを自分で選択できるようになっていたかもしれません。しかし、残念ながら現状は難しい局面です。
キャリアアップとは、「自分で選ぶ権利」をみずから獲得することだともいえます。将来の選択の自由を手にするためにも、ぜひ5%社員の姿に学び、あなたも今日から「できること」を実践してみてください。