ITオンチでも、最低限押さえておきたいIT用語を抽出。そのメリットと、思わぬ落とし穴を、コミカルなストーリー仕立てで解説する。


※主な登場人物
藤井君/おっちょこちょいで新しもの好きの若者。山田部長の部下。
山田部長/凸凹食品株式会社のおとぼけ営業部長。IT系はものすごく苦手。
木村君/凸凹食品のシステム担当者。


 

今日の朝礼の当番は、いつも新しい話題を交えたスピーチで評判の小松原君。朝礼後、藤井君が小松原君に尋ねた。

「ねえ、いつもどこから話題を仕入れてるの?」

「実は去年からツイッターを使い出してね」

ツイッター/その時々の思いや意見、今置かれている状況などを最大140字の「つぶやき」としてインターネット上で発言できるサービス。日本でも大ヒットしている。気になる発言者やキーワード(話題)をフォロー(登録)しておけば、該当する発言があるたびに通知される。携帯電話からも利用可能。独り言やメモを書くように、ごく気軽につぶやけるが、実際には不特定多数に広く公開されるため、機密情報の漏洩やプライバシーの侵害などに気をつける必要がある。

名前は聞いたことがあるが、どういうものかよく知らない藤井君。気になる新人OL真央ちゃんの手前、「ああ、あれね。僕も5、6年前まで使ってたけど、最近はどうなの」と知ったかぶり。

「えっ、日本でブレークしたのは去年だよ」真央ちゃんがクスクス笑っている。小松原君によれば、ツイッターで有力経営者や気鋭の評論家らをフォロー(登録)し、彼らの発言を見ていて気になる話題があれば自分で調べて、朝礼や営業に生かしているようだ。そういったオピニオンリーダーの日々のつぶやきを見れば、物事の見方を学ぶ道具になると小松原君。早速、小松原君の指導でツイッターを使い始めた藤井君だが、アイドルばかりフォローしているのもどうかと思い、小松原君の話に出てきた有名社長なども登録することに。おもしろいのは、こうした社長らが関心を持ってフォローしている発言者も芋づる式にわかる点だ。今まで知らなかった人々の発言も読めるようになる。藤井君が山田部長に報告書を持っていくと、「ツイッターってのが流行ってるらしいが、藤井君も持ってるかね」。

「モノじゃなくてサービスなんですよ。つまり……」。待ってましたとばかりに受け売りでツイッターを熱く語り始めた。「部長も、誰でもいいからフォローすればいいんですよ」。

「ああ? おまえのミスの尻ぬぐいで手一杯の俺が、なんで知らないヤツのフォローまでしなきゃならないんだよ。そういえば、金曜もポカやらかしたそうだな」