過去を振り返ることで今を考える

――昨年は明治、大正、昭和を生きた教育者・河井道を描いた柚木麻子さんの『らんたん』が出版され、最近では大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝を主人公にした村上由佳さんの『風よ あらしよ』がドラマ化されるなど、昔の女性たちの生きざまをフィクションとして描いた作品が続けて注目されています。

モデルはいるとしても、「誤解されているけど、本当はこんな一面もあったのではないか」など、小説ならフィクションとしても読めるところに面白さがあるんじゃないでしょうか。私もそうですが、柚木さんも、昔のことを振り返ることで、改めて今を考えようという視点が生まれたのだと思うのです。「彼女たちは、どうだったのかな?」と一つひとつ調べて書いていく。それが何となく今やりたいことなのかなと思います。

(構成=新田理恵)
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