17%ものこどもが「実際に自分の体を傷つけた」

こうした環境にあって子どもたちのメンタルは、医師の私の目から見ても非常に危ういものとなっています。

先の国立成育医療研究センターの調査では、子どもの自傷行為や自殺願望についても、深刻な結果を報告しています。

この1週間で〈実際に自分の体を傷つけた〉という子どもが、〈ときどき〉〈半分以上〉〈ほとんど毎日〉合わせて17%にものぼります。

さらに、〈体を傷つけたい、死にたいと思った〉という子どもは、24%もいるのです(第4回調査より)。

ソファの上で膝を抱えて泣いている小学生の男の子を励ます母親
写真=iStock.com/takasuu
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子どもは「ストレス対処法」を持っていない

一方で、ストレス対処法について、子どもは大人ほど選択肢を持っていません。

ストレス対処行動を〈全くしていない〉と答えた子どもが25%、〈少し〉しているが24%、〈まあまあ〉しているが29%で、〈かなり〉していると答えた子どもは、わずか18%にとどまっています。

同調査では、ストレスを感じたときにどうするかについて、大人と子どもの両方に聞いています。その結果を検討すると、重要なことがわかってきます。

大人たちは、別の視点で考えたり、誰かに共感してもらったり、助けを求めるという「逃げ場」とも言うべき方法を用いることができています。

ところが、子どもたちはゲームや好きなことをして気を紛らわせることが圧倒的に多く、周囲にSOSを出すことがなかなかできません。

そして、解決策を見いだせないままにストレスをめ込み、いわゆる「コロナうつ」になってしまう可能性が高いのです。