経営者には禅や瞑想の愛好家が多いという。自分と向き合う静かな時間から得たものを、どのように実務に生かしているのか。禅の指導者でもあり、ビジネスリーダーを育てるための瞑想法「マインドフィットネス」を提唱するイトーキ会長・山田匡通氏が語るその極意とは――。「プレジデント」(2022年9月16日号)の特集「最高の瞑想」より、記事の一部をお届けします。
他人の幸せは自分の幸せと感じるように
禅の指導者でもある私は、毎朝6時に起床した後、25分間の坐禅を2回行います。25分は線香1本が燃え尽きる時間で、これを「一炷」と言い、坐禅1回の目安としています。日中に時間があれば、仕事の合間でもオフィス内で座ります。そして、自宅で就寝する前にも座っています。ちなみに「座る」というのは坐禅をするという意味です。
私が禅と出会ったのは父親を通してです。うちは曾祖父が福島県で製糸会社を起こした名家でしたが、祖父の代に昭和恐慌で倒産。父は一族の没落を立て直そうと満州に渡り満州鉱山で出世を果たします。しかし、敗戦で無一文となって帰国。頑張っても世の中の不条理に翻弄される。そんな中で、父は揺るぎない何かを「禅」に求めました。
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