義母とのバトルと父親の脳梗塞
2018年の夏は、北海道に住む義母から庄司さん宛に何度か電話がかかってきた。当時はまだ妻は電話ができたため、義母は娘から離婚のことを聞いたようだ。
義母は庄司さんが電話に出るなり、「あなたが家のお金を管理しているのだから、娘が借金に手を出すのも、最近体調が悪いのも、全部あなたのせいよ! 離婚するなら慰謝料をがっぽりもらうから!」と怒鳴りつけた。
娘の体調が悪いことも知っているらしく、「ちゃんと病院に連れて行け!」と大声を出す。庄司さんは「大きな病院にも連れて行って、異常ないと言われています」と言い返した。
庄司さんは、事あるごとに妻が義母に自分の悪口を吹き込んでいると思い、妻に対してもいら立っていた。
9月。関西に住む庄司さんの母親から、「お父さんが脳梗塞で倒れて入院した」という連絡が入る。
実家から車で30分の距離に弟一家が住んでおり、この時も弟が入院の手続きなどをしてくれていた。少し前には、母親が右肩の手術をしたばかり。庄司さんは、母親の手伝いや父親の見舞いのために、1週間ほど実家に帰ることにした。
庄司さんは家を空けることを迷ったが、「子どもたちももう高校生と中学生。大丈夫だろう」と思った。
ところが、庄司さんが実家に帰った日の夜、娘がLINEで、「ママがおもらしした」と伝えてきた。トイレに行こうとしたが間に合わなかったようだ。娘の話では、妻はおもらしした場所に横になったまま、自分で片付けもせず、おもらししたことも気にしていない様子だったという。
その2日後は、「ママが夜、自転車で仕事に行こうとして転んで、救急車で運ばれた」と息子から連絡が入る。妻は、出勤しようとして転び、しばらく立ち上がれなかったらしく、近所の人が救急車を呼んでくれたようだ。庄司さんは、すぐに帰るべきか迷ったが、息子から、「ママはケガもなくケロッとしていて、これからママとタクシーで家に帰る」と連絡が来る。
「借金で僕の足を引っ張るだけでなく、自分の親の病気のために実家に帰ったときさえ邪魔をしてくるんだと思うと、妻に対して怒りがこみ上げてしかたがありませんでした」