ジャニーズ嫌いの私が最も期待している人物

で、栄えある、いや栄えでもなんでもないか、個人的に期待値が高いのは……。

1位 小心者のあさはかさ、嫉妬や後悔をパーツで魅せる 重岡大毅(ジャニーズWEST)

人のよさそうな笑顔、歯の数の多さ、自然体だがどこかアニメ声。「こんな子が近所におったら町中が明るなるなぁ、ほな今日からあんたは100Wや!」といい加減な関西弁が脳内でこだまする。

「宇宙を駆けるよだか」(2018年・Netflix)や「これは経費で落ちません!」(2019年・NHK)、「死役所」(2019年・テレ東系)で重岡を見た時の私の脳内である。裏表なく、屈託なく、弱き人に優しく、非を認めたら即謝って反省もする。なんていい子なんだ! と。

しかし、善人だけを演じて1位にするはずもない。

「知らなくていいコト。」(2020年・日テレ系)で演じた役が抜群によかった。「嫉妬」という字は女偏ではなく男偏にすべきと思わせるくらい、みっともなくて人間臭い役だった。

さらに、現在放送中の「雪女と蟹を食う」(テレ東系、金曜深夜0時12分~)でも、痴漢冤罪えんざいで自暴自棄になった男を演じている。人は絶望すると無になり、その後でなぜか性欲や食欲が増大するという過程を見事に体現。

写真=テレビ東京「雪女と蟹を食う」オフィシャルページより
写真=テレビ東京「雪女と蟹を食う」オフィシャルページより

悪人になりきれない弱さ、死を覚悟したはずが揺らぐ心を生々しく演じている。最も期待しているジャニーズタレントである。

以上、俯瞰ふかんしてみると、ジャニーズと「深夜枠・コメディ・悪事or犯罪」の相性の良さを感じた。その幼さやあどけなさは生臭い人間ドラマでぜひいかしてほしい。

こんな提灯持ち原稿は二度と書く機会がないと思うが、5年後・10年後は芸能界の勢力図も変わっているだろう。今回挙げた5人の暗躍を祈る。あ、活躍か。

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