日本人はアメリカを逆恨みし、アメリカでは日本脅威論

その代わり、「我が軍は宿敵ロシアを叩きつぶした」といった論調の情報ばかりを流しました。祖国のため、多くの若者の命を失った国民は、その事実を知らなかったので、賠償金も取れなかった講和に怒りました。そして日比谷公園の焼き討ち事件まで起こしています。

さらに日本政府も報道機関も、停戦のために尽くしてくれたルーズベルト大統領の努力を、きちんと国民には伝えなかったのです。そのため、日本が賠償金も取れないような講和条約を結ばされたのはアメリカのせいだという、アメリカを逆恨みする声まで生じました。このために、それまで日本びいきであったルーズベルトの親日感情は無くなり、やがてアメリカ全体に日本脅威論が生まれる原因となります。

たとえば激烈な市場獲得競争を続けてきた企業同士が、手打ち式をやったとします。そのとき、どこかの銀行が仲介の労を取ってくれたとします。しかしこのとき、たとえ円満に解決したとしても、手打ちの経緯や背景について、従業員に何も知らせなかったら、どうなるでしょうか。想像してみてください。

「終わらせる」とはどういうことか。戦争に関係したすべての人に、情報の共有化を徹底することが大切だと考えるべきでしょう。

ケンカ(戦争)の後の仲直りの仕方(平和条約)が難しい

職場における出世競争や恋人の争奪戦など、僕たちの人生には望まずしてケンカ状態に巻き込まれることも少なくありません。このようなとき、円満に仲直りし将来も良好な人間関係を続けていくためには、次のようなことが必要になると思います。

もつれた糸をほぐすには、ケンカの原因を冷静に考えてお互いの非を認め合うことが大切です。それと同時に、相手の心を思いやる心遣いも大切になるでしょう。

出世競争に敗れたり恋人を奪われてしまったりすると、ともすれば冷静になれず、そのために相手をきちんと正視せず、憎しみの感情で評価するなど、偏見でしか見られなくなります。これでは怨念ばかりが残って、仲直りにはなりません。