消費税増税に理解を得るための行政改革の一環と称して、岡田克也副総理が政府購入の新聞・雑誌の部数を削減する。
「副総理の部屋とスタッフの事務室に同じ新聞や雑誌があるなど、一つのセクションで複数取っていることもある。そういうものを整理したい」
岡田氏はそう語り、政府全体で最低3割の削減を目標に掲げているが、「マスコミに極秘会談をスッパ抜かれた意趣返しではないか」(複数の政治部記者)との憶測もささやかれている。
岡田氏は副総理就任後、自らのお膝元の内閣府に対し、新聞・雑誌購入の見直しを命じ、今年3月中旬時点で35%の削減を達成。4月の新年度入りを前に、全省庁に対し同様の取り組みを指示した。
岡田氏は、新聞・雑誌の購入見直しについて、会見で「(政府内に)利益を上げねばならない、赤字にしてはいけないという意識がない中で、必要以上の新聞・雑誌購読が続けられてきた」「普通の企業ではありえないこと。意識を変えていくために、一つのきっかけというかショック療法としてあえて行う」と説明。「別に(新聞・雑誌を)目の敵にしているわけではない」と何度も釈明した。
全国紙の官邸詰め記者が言う。
「岡田氏は以前からマスコミ嫌いで通っていた人物。岡田氏は新聞・雑誌を狙い打ちにしたわけではないというが、新聞・雑誌の購入部数を減らしても効果は微々たるもの。役人の天下り法人の削減や、国会議員の定数・政党助成金の削減など、削るべきムダはほかにいくらでもあるのに、それには手をつけない。勘ぐられるのも当然でしょう」
岡田氏に関しては、3月上旬に自民党の谷垣禎一総裁の側近である川崎二郎元厚生労働相らと極秘会談し、民主党と自民党の大連立を打診していたことが発覚。テレビ、新聞は「岡田副総理が大連立打診」と大々的に報じたが、岡田氏は頑として事実関係を認めていない。
「岡田氏は極秘のはずの会談がスッパ抜かれてカリカリ。また大連立も谷垣総裁や石原伸晃幹事長らに高いハードルを設定され容易ではない」(全国紙デスク)
政権の行き詰まりをマスコミのせいにする民主党幹部が少なくないというが、岡田氏もその一人なのか。