“てにをは”には気を付けて話そう

また、西村さんは鉛筆の正しい持ち方を入塾前に身につけさせてほしいとアドバイスする。

「あまり注目していない人が多いかもしれませんが、鉛筆の持ち方は大事です。私がお子さんの勉強を見るときにまず確認するのは鉛筆の持ち方です」

鉛筆を持つ手の親指が人さし指の上に重なり、鉛筆が垂直に立つような持ち方をしている子は多い。この持ち方では字がきれいに書けないばかりか疲れやすく、それがミスの原因にもなる。

「持ち方を直すと、書くスピードはもちろん、算数で図を描く際にも真っ直ぐに線を引けるようになります。矯正するのには数カ月かかることもあるので、入塾前にはやっておきましょう」

入塾テストの国語では課題文を読んで設問に答える文章読解問題が出る塾もある。こうした国語の文章への対策は日常会話で十分できると西村さんは言う。

「国語の文章読解力は、質問されたことに適切に答えるといったやりとりで育ちます。『今日何したの?』といった漠然とした質問ではなく、『今日の社会の授業で面白かった話のベスト1は何?』といった、子供が何を聞かれているのかわかりやすい質問をしましょう。そして大人の発話を短くすれば、子供は自然とたくさん話してくれるようになります。『黙っていなさい』と言われるようなおしゃべりな子ほど国語が得意です。子供が安心して言いたいことを発信できる環境をつくってやるといいです」

さらに子供と会話をする際には、「“てにをは”を意識して話すと、助詞の理解も進む」と西村さんは言う。

「今日、お昼何食べた?」ではなく「今日の・お昼ご飯に・何を・食べたの?」というように。“てにをは”を省略していると思い当たる方はぜひ試してみよう。

給食
写真=iStock.com/Milatas
※写真はイメージです