年収は高いのになぜかお金が貯まらない。そんな人はどこで無駄遣いしてしまっているのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは「『これを使うと本場の味に』という触れ込みのエスニック調味料や○○の素、食べるラー油などの瓶詰めに万能だれ……。これらはちゃんと使い切れればいいが、使いかけのまま冷蔵庫に死蔵されているものが多いなら、無駄遣いの原因になっている」という――。
冷蔵庫を開ける人の手元
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買ってきたままぎゅうぎゅうに詰め込んでいる

年収が高いのに貯まらない――これはよく耳にする声だ。「生活費でギリギリ、貯蓄に回せるお金なんてない」という人から見ると不思議でしょうがないのだが、そこにはちゃんと理由がある。たとえば、貯蓄上手かどうかを見分ける手がかりとなるのが冷蔵庫だ。冷蔵庫を開けて見ると、その人のお金の使い方がよくわかる。稼いでいるのに貯まらないと嘆く人の冷蔵庫には、どんな特徴があるだろうか。

そもそも貯まらない人の冷蔵庫は、まるで整理されておらず、雑然と食品が詰まっていることが多い。食品とはお金と交換したものなので、それが多いというのはイコール使っているお金が多いということだ。さらに、買ってきたままぎゅうぎゅうに詰め込んでいると、どこに何が入っているかわからなくなり、同じものを二度買いしたり、買ったモノが奥の方で消費期限切れを迎えていたりする。あれこれ買った揚げ句、それを捨ててしまうのはお金を二重にムダにしていることになる。そうなりやすい理由は、食費の予算をきちんと立てなくても十分に買えてしまうだけお金に余裕があるからだ。

食費に8万円近くかけるシングル女性

ガンガン稼いで年収が800万円もあるようなキャリア女性の話を聞くと、食費に限らず毎月の収支を細かく把握していないことが多い。特に、お金が自由に使えるシングルの場合はそうなりがちだ。

総務省の家計調査報告によれば、働いている単身者のひと月の食費は約3万6800円(2022年1~3月平均)で、うち単身女性の平均は約3万2000円となる(外食含む)。むろん、大都市圏だと当然これより高くなる。しかし、話を聞いた高収入女性の中には単身世帯なのに食費が5万円、なかには8万円近いというシングル女性もいた。それも、毎月の収支を書いてもらって初めてそれに気づいたという始末。これでは貯まりようがない。