ウクライナ目線だけでは問題の本質にたどりつけない

ロシアとウクライナの紛争はまだ終わりが見えていない。

ウクライナの惨状を目にすると、私も胸が痛む。だが、「ウクライナは善で、ロシアは悪」というステレオタイプの考え方で本当にいいのだろうか。

大前研一『大前研一 世界の潮流2022-23スペシャル』(プレジデント社)
大前研一『大前研一 世界の潮流2022-23スペシャル』(プレジデント社)

ゼレンスキー氏はタレント出身だけあって、メディアの使い方が上手い。そういう意味では、戦時のリーダーに向いていると言える。だが、彼の主張から見えてくるのは、ウクライナ側から見た風景だけだ。

また、日本のメディアは明らかに欧米視点なので、それだけを見たり読んだりしていてもやはり事態の一面しかわからない。

ゼレンスキー氏はこう言っているが、では、プーチン氏はどうなのか。西側諸国から見えるこの景色は、ロシア側にはどう映っているのか。そういう多面的な見方をしなければ、ものごとの本質にはたどりつけないし、またそもそもここに至った経緯も理解できないのである。

【関連記事】
「信じられないくらい未熟でお粗末」元自衛隊幹部が読み解くロシア軍の"決定的な弱点"
頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方
プーチンの嘘を次々に打ち砕く…ロシアの軍事機密を丸裸にする「民間衛星会社マクサー」の超技術
「どんな人なのかが一発でわかる」銀座のママが初対面で必ず確認する"身体の部位"
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ