ウクライナ目線だけでは問題の本質にたどりつけない
ロシアとウクライナの紛争はまだ終わりが見えていない。
ウクライナの惨状を目にすると、私も胸が痛む。だが、「ウクライナは善で、ロシアは悪」というステレオタイプの考え方で本当にいいのだろうか。
ゼレンスキー氏はタレント出身だけあって、メディアの使い方が上手い。そういう意味では、戦時のリーダーに向いていると言える。だが、彼の主張から見えてくるのは、ウクライナ側から見た風景だけだ。
また、日本のメディアは明らかに欧米視点なので、それだけを見たり読んだりしていてもやはり事態の一面しかわからない。
ゼレンスキー氏はこう言っているが、では、プーチン氏はどうなのか。西側諸国から見えるこの景色は、ロシア側にはどう映っているのか。そういう多面的な見方をしなければ、ものごとの本質にはたどりつけないし、またそもそもここに至った経緯も理解できないのである。